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松井 里弥
子どもの頃、フィクションの世界の楽しさを教えてくれたのは『はてしない物語』だった。あの布張りの装丁、赤と緑のインク。いまでもたまに取り出して、うっとりながめる。これから読む子どもたちには、絶対に文庫版ではなく単行本を手に取っていただきたい。さて、『はてしない物語』を読んで「わたしも本のなかに入りたい!」とは誰もが抱く感想だろうが、わたしの場合、大人になってからそれが翻訳というものに繋がったと思う。わたしにとって、翻訳はまぎれもなく本のなかに入る方法のひとつだ。本を読むことは、フィクションの世界を冒険すること。フィクションの世界は広く、まだ見ぬ場所がたくさんある。これからもあちらこちらへ旅をして、帰りたくないと思う場所が見つかったら――そしてそこが日本人に馴染みのない場所だったら、その光景を、わたしなりの赤と緑のインクで書き写していきたい。
十代の頃、本のほかにもうひとつ好きなものができた。音楽だ。わたしはドラムを始めた。それから十年後、本とロック――翻訳とドラムで、仕事になったのは翻訳のほうだったが、ドラムも続けている。ロック/メタル/ゴシック/テクノがお好きなかたは、こちらへどうぞ。https://www.myspace.com/medagdot
主な訳書
『アクセラレイション―シリアルキラーの手帖―』グラム・マクナミー(マッグガーデン)
『満月の夜に』クレスリー・コール(ソフトバンククリエイティブ)
『アビィ・リーの日記―わたしは困ったラブ・ファンタジスタ』アビィ・リー(集英社)
『虎の瞳がきらめく夜』マージョリー・M・リュウ(ヴィレッジブックス)
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